資産運用で良く利用される運用手法に「アセットアロケーションのリバランス」があります。
特に投資信託での運用と相性が良く、主観を排除して機械的にキャピタルゲインの獲得を目指せる良い運用方法だと考えています。
ただしリバランスにも少なからずデメリットが存在します。デメリットの1つに、リバランスに伴い資産を売却する際、その含み益分に対して課税されるという点があります。
今回はそのデメリットをiDeCoが解決してくれるということについてまとめます。
リバランスのデメリット
アセットアロケーションのリバランスについては、以下の記事で紹介しました。
主観による投資タイミングの迷いを断ち切る方法
リバランスによる運用は投資における迷いを排除し、機械的に「髙いとこで売り、安いとこで買う」を実践できる方法です。
しかし、デメリットもあります。
先ほど、割高になった株式を売って割安になった債権を買う例をあげましたが、割高になった株式を売る際、キャピタルゲインに対して課税されてしまうのです。
課税されてしまった分、本来であれば受け取れるはずの利益が目減りしてしまいます。これはリバランスにおける大きなデメリットです。
デメリットを解決するiDeCo
この課税によるデメリット。解消する方法があります。
それがiDeCoです。
ここではiDeCoがどのようなものかについての説明はしませんが、以下のような特徴があります。
・毎月定額を拠出する私的年金
・拠出した資金を使って投資信託や定期預金で資産運用ができる
・原則60歳まで引き出せない
・口座内での売買(スイッチング)により発生した利益に対して非課税
つまり、60歳まで引き出せないが非課税で運用できる私的な積立年金制度ということになります。
ここで注目すべきは特徴の最後の項目。売買利益に対して非課税という点です。この非課税制度を利用することで、先ほど説明したリバランスによるデメリットを消すことができます。
たとえばiDeCo口座で株式投資信託50%、定期預金50%で運用していたとします。1年後に株式投資信託60%、定期預金40%の割合となりました。株価高騰に伴ってバランスが崩れたということです。
このタイミングで投資信託から定期預金へ資金を移動します(スイッチング)。本来であれば、このタイミングで利益に対する税金が発生します。
しかし、iDeCoなら非課税です。何回売買したとしても税金はかかりません。
実現した利益はそのまま資産の増加につながります。
まとめ
売買によって発生する税金ですが、売買代金が少額のうちは気にならないかもしれません。また1回1回の売買で発生する税金は少ないものです。
しかし、資産が大きくなって大きなお金の売買をするようになるにつれ、税金というものが無視できない額になってきます。また、何十年にも渡る運用の中で積み重なった税金総額は、最終的に大きな金額になるはずです。
小さなところでも、制度として認められた節税の仕組みは活用すべきだと思います。