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企業分析 6471 日本精工 157期

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保有銘柄や気になる銘柄を中心に有価証券報告書の内容を確認して気になった点などをまとめます。

 

2018年6月22日、日本精工(6471)の第157期の有価証券報告書が提出されました。

 

※記事に記載している数字について、特に記載がない限りは全て[百万円]です。

 

概要

国内債大手のベアリングメーカー。また世界的に見てもシェア3位を誇る。

 

海外売上高が60%を超えており、グローバル化が進んでいる大企業。

 

事業の特徴・差別化・付加価値

企業理念

「MOTION & CONTROLを通じ、円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全を目指すとともに、グローバルな活動によって国を越えた人と人の結びつきを強める」という企業理念のもと、以下の経営姿勢により社会に貢献する企業を目指しているとあります。

  1. 世界をリードする技術力によって、顧客に積極的提案を行う
  2. 社員一人ひとりの個性と可能性を尊重する
  3. 柔軟で活力のある企業風土で時代を先取りする
  4. 社員は地域に対する使命感をもとに行動する
  5. グローバル経営をめざす

 

ビジョン

創立100周年を契機に策定した「NSKビジョン2025(あたらしい動きをつくる。)」の下、2016年度から2018年度の第5次中期経営計画を進めている状況です。

 

その内容には以下のようなものがあります。

  • 事業の競争力の追求
  • 効率経営の追求
  • 人づくり、モノづくり
  • 次の成長への種まき
  • モノつくりの革新
  • 新商品、新領域技術の開発

 

どの内容も企業経営をするうえでは当然目指すべきもののように思え、特筆して目新しいものはないように感じます。

 

ただし、後に「不安要素」のところでも記載していますが、会社が認識しているリスクとして特定分野への依存をあげています。ビジョンの項目に「次の成長」や「新領域技術の開発」をあげていることから、特定分野への依存を解消しようとする意思が感じ取れます。

 

不安要素

市場変化への対応と競争環境

中国軸受メーカーの台頭によりグローバルな市場価格の下落が表れているようです。

 

日本精工は高品質軸受分野における事業の拡大や技術サービスの向上など、価格面以外での競争力強化を図っているようですが、中国軸受メーカーの低価格品の急速な伸張は無視できない状況のようです。

 

特定分野への依存

日本精工は、販売全体の約7割を自動車軸受及び自動車部品が占めています。また特定需要分野への依存度も高い状況です。

 

これら高依存度の特定産業分野における急激な需要の縮小が業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があるとしています。

 

損益計算書

売上高、売上原価、粗利益、売上高純利益率

  155期 156期 157期
売上高 1,020,338 949,170 975,319
売上原価 788,052 738,434 755,663
粗利益 23% 22% 23%
売上高純利益率 7.2% 5.2% 7.1%

粗利益は20%台前半、売上高に対する純利益率は良くて7%。

 

僕は粗利益30%以上、売上高利益率10%前後からが良い成績の水準としています。(この水準については業界によっても差が出てくると思いますので、今後、業界に関してもっと勉強が必要ですね。)

 

現状の数字を見る限り、決して好成績とは言えないと感じています。

 

貸借対照表

現金、売掛金、 棚卸資産

  155期 156期 157期
現金 175,515 139,573 131,283
売掛金 182,332 200,954 217,200
棚卸資産 130,564 131,810 143,052
流動資産計 511,250 506,282 511,342

流動資産の合計に対する現金、売掛金、棚卸資産それぞれの割合を並べてみたとき、売掛金、棚卸資産の割合が大きすぎる印象を受けます。

 

特に売掛金は流動資産全体の約4割にも及んでおり、少し不安を感じる水準に思います。

 

現金、流動負債

  155期 156期 157期
現金 175,515 139,573 131,283
流動負債計 293,245 318,600 307,958

現金及び現金同等物と流動負債の合計を並べました。

 

流動負債は1年以内に支払いが必要になる負債ですが、流動負債に対する現金同等物の割合が低いと思います。特に156期、157期は現金同等物の2倍以上の流動負債が計上されています。

 

この業界の勉強不足なところはありますが、僕としては不安を感じる水準です。

 

キャッシュフロー計算書

  155期 156期 157期
営業活動 108,622 67,936 83,746
投資活動 △45,212 △54,243 △53,001
財務活動 △68,073 △48,413 △39,804

3期分のキャッシュフロー計算書の内容ですが、いずれの期においても投資活動と財務活動によるキャッシュフローという支出が、営業活動によるキャッシュフローという収入を超えています。

 

キャッシュベースで収入以上の支出をしていることになります。

 

まとめ

ベアリングは様々なところに使われている重要な部品であり、今後も必要とされる部品であると考えています。そのベアリング業界で世界シェア3位を誇る日本精工。

 

業界においても、その中でのシェアにおいても好成績を出している企業です。

 

ただし、財務状況としては不安を感じるところがあります。特にキャッシュフローについては支出超過の状況が続いているため、投資するには今後の動向を注視する必要があると感じています。

 

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