保有銘柄や気になる銘柄を中心に有価証券報告書の内容を確認して気になった点などをまとめます。
2019年6月21日、MS&CONSULTING(6555)第7期の有価証券報告書が提出されました。
※記事に記載している数字について、特に記載がない限りは全て[千円]です。
前期以前から継続して分析している企業です。
企業分析 6555 MS&CONSULTING 第6期
財務分析
売上高、売上原価、粗利益、純利益、売上高純利益
第6期 | 第7期 | |
売上高 | 2,810,524 | 2,859,616 |
売上原価 | 1,604,479 | 1,607,072 |
粗利益 | 43% | 44% |
純利益 | 359,011 | 391,454 |
売上高純利益 | 12.8% | 13.7% |
粗利益が40%を超え、さらに売上高に対する純利益率も12%を超えています。
上場して2期分の決算しかでていないため、まだまだ経年推移の見通しが判断しにくい部分はありますが、非常に優秀な利益率を出しています。
自己資本比率、自己資本利益率(ROE)
第6期 | 第7期 | |
自己資本比率 | 79.5% | 81.4% |
ROE | 12.16% | 12.48% |
自己資本比率が非常に高く、それでいて自己資本を利用してどれだけ効率的に稼いだかを図る指標であるROEが12%を超える高い水準です。
自己資本を活用し、非常に効率的に利益を出せていると言えます。
流動資産、現金及び現金同等物、流動負債
第6期 | 第7期 | |
流動資産 | 1,419,422 | 1,695,182 |
現金及び現金同等物 | 627,261 | 814,692 |
流動負債 | 697,174 | 745,410 |
1年程度内に支払いが必要となる流動負債に対する支払い能力を見てみると、流動負債に対して十分な流動資産があることが分かります。
流動資産の中でも現金化しやすい「現金及び現金同等物」だけに注目しても、流動負債と同水準の資産を持っているため、十分な支払い能力があると言えます。
資産総額(流動資産+固定資産)、のれん、資産総額のれん率
第6期 | 第7期 | |
資産総額 | 3,767,569 | 4,096,557 |
のれん | 2,223,891 | 2,223,891 |
資産総額のれん率 | 59% | 54% |
貸借対照表を見ていて気になったのが「のれん」です。
資産総額(流動資産+固定資産)に対する「のれん」の割合(資産総額のれん率)を見てみると50%を超えており、とても大きな割合です。
また、MS&CONSULTINGは国際会計基準(IFRS)を採用しているため、のれんを減価償却する必要はなく、減損がない限りは貸借対照表に計上され続けることになります。
企業の成長とともに資産総額が大きくなってくることで、この「のれん」の額も「気にならない」ものになってくると思いますが、現時点では大きな金額のため、ひとたび減損が発生すると大きなインパクトが発生すると思います。
まとめ
MS&CONSULTINGは2017年10月に上場したまだまだ若い企業です。財務諸表の金額単位も千円単位であり、時価総額を見るとまだまだ小さな企業です。
今後、何かしらの問題が発生したときに耐えうる体力があるかというと、不安を感じるところもあります。
しかし財務諸表を見る限り、利益を順調に伸ばしているだけではなく、財務状況も非常に健全な状況だと言えます。
この調子で順調に利益を積み上げていければ、それに応じて企業価値も順調に高まっていくと予想しています。