投資をするうえでぜひとも利用したい力に「複利」があります。
複利の力ですが、特に有価証券における投資をする際には重要になると考えています。
複利とは
複利を説明するのに最も身近で分かりやすいのが銀行預金の金利です。
銀行に預金していると、預金残高に対して決まった率のお金を銀行からお金がもらえるはずです。これを金利と言っていると思います。そして、金利は預金残高に足されます。
ここで、お金を預けている銀行から1回ほど金利を受け取っているとします。では、次の金利支払いの際に金利計算の元となる金額はいくらでしょう。
もともとの預金残高と、前回増えた金利分の額を合わせた額を元として今回の金利計算がされることになります。
そして、そのまた次の金利支払の際は、さらに今回分の金利が加算された額で金利が計算されるはずです。
考えてみれば当たり前のことですね。そうです。この当たり前の計算が複利計算です。
では、この複利計算の何が凄いのか。それは、時間がたつにつれて「残高の増えるスピードがどんどん早くなる」ことです。
複利計算の具体例
例えば銀行に10万円の残高があったとします。
この銀行にお金を預けていると、年利10%の金利をもらえるとします。
すると、残高はどのようになるでしょう。
年数 | 金利 | 残高 |
1年 | 10,000円 | 110,000円 |
2年 | 11,000円 | 121,000円 |
3年 | 12,100円 | 133,100円 |
4年 | 13,310円 | 146,410円 |
5年 | 14,641円 | 161,051円 |
6年 | 16,105 円 | 177,156円 |
7年 | 17,715円 | 194,871円 |
8年 | 19,487円 | 214,358円 |
9年 | 21,435円 | 235,793円 |
10年 | 23,579円 | 259,372円 |
元金10万円で、単純に年1万円の金利がもらえるとすると、残高が2倍になるには10年かかります。
しかし複利で残高が増えるとすると、7年で残高がほぼ2倍になります。さらに、10年後には16倍くらいにまで膨れていることが分かります。
これが複利の力です。まさに「雪玉が雪の坂を転がり落ちる時」のように、どんどんと残高が膨らんでいきます。
銀行預金はなぜ増えないのか?
このように凄い勢いで資産を増加させる力を秘めた複利ですが、そもそもこの記事では銀行預金の金利に複利計算が適用できるということを書いていています。そして実際に、銀行預金の金利と残高は複利で増えています。
では、銀行預金を利用している全ての人が複利の力を実感しているはずではないのか?という疑問が湧いてきます。
この結論としては、「間違いなく複利の力を利用できています。ただし、金利が低すぎて実感できません」になります。
2019年4月現在、銀行の普通預金の金利は0.001%程度です。ではこの金利を使い、先ほどと同じように複利で残高の増え方を見てみます。
年数 | 金利 | 残高 |
1年 | 1円 | 100,001円 |
2年 | 1円 | 100,002円 |
3年 | 1円 | 100,003円 |
4年 | 1円 | 100,004円 |
5年 | 1円 | 100,005円 |
6年 | 1円 | 100,006円 |
7年 | 1円 | 100,007円 |
8年 | 1円 | 100,008円 |
9年 | 1円 | 100,009円 |
10年 | 1円 | 100,010円 |
この結果が意味するもの。それは、「金利が低すぎて、複利の効果を実感できない」ということです。
複利の力は聞いているはずなのです。しかし、金利が低すぎるために見えてこないのです。
投資で実感する複利の力
複利の力を紹介する際に使った「金利10%」ですが、これは複利の力をイメージしてもらうため、あえてありえないほど高い利率を使いました
実際のところ、投資の世界でもこれほどの利率を維持することは困難です。
しかし株式の配当だけを見ても、年2%~5%程度の利回りで配当金を出す企業があります。
株式投資で実感できる複利の力は、銀行預金とは比べ物にならないものであり、時間をかけてじっくり待てば待つほど、その効果は「 雪玉が雪の坂を転がり落ちる時 」のように増幅します。
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