企業分析

【ナカニシ(7716) 第67期】高収益・好財務で着実に成長を続ける

投稿日:2019年9月8日 更新日:

2019年3月29日、ナカニシ(7716)の第67期の有価証券報告書が提出されました。


ナカニシは歯科製品の世界首位級のシェアを誇るメーカーです。

普段の生活ではあまり見聞きしない企業ですが、歯科製品の世界では世界に知られるメーカーで、海外での取引比率も70%を超えるほどのグローバル企業です。

そして、この企業の特徴は財務状況が圧倒的に安定している点と、非常に利益率が高い点です。そんなナカニシについて、実際の数字を確認していきます。


※記事に記載している数字について、記載がないものは全て[千円]です。

財務分析

損益計算書

まず目を引くのが利益率の高さです。
売上高に対する売上総利益(粗利益)が約60%に及んでいます。

製品の原材料に対して付加した価値が粗利益の形で出ると考えると、非常に高い付加価値を備えた製品を販売していると言えます。

また、粗利益の高さはそのまま純利益率にも表れています。20%を超える純利益率は非常に高い水準です。

損益計算書の経年比較を見ても、今期の利益率の高さは1期限りの成績ではなく、継続して出している利益率であることが分かります。

グラフの変化も少なく、安定的に利益を出せていることがうかがえます。さらに売上高、総利益ともに拡大傾向であることがうかがえます。

 

貸借対照表

貸借対照表を眺めてみて、何といっても一番に目を引くのが負債の小ささと株主資本の大きさです。

総資本の91%以上が株主資本で構成されており、ほぼ無借金で経営しています。それでいて損益計算書でみたとおり高い利益率も安定的に出しています。

経年比較してみると、資産が緩やかに大きくなっていますが、負債はほとんど変化していないことが分かります。

つまりほとんど無借金のまま継続して成長していけていることが見て取れます。

 

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書については、営業活動によるキャッシュフローと財務活動によるキャッシュフローにあまり変化がないため、投資活動によるキャッシュフローの変動に沿うようにネットキャッシュフローが変化するという特徴がみられます。

営業活動によるキャッシュフローがしっかりとあるため、ネットキャッシュフローもほぼプラスとなっているため、特に不安を感じる要素はありません。

 

まとめ

財務諸表を見る限り、非常に安定した収益を上げ続けています。

利益面からみても財務の健全性からみても優秀で、その状況が継続しています。

売上高や総資産の経年変化を見ると、その結果として着実に成長していることが分かります。

 



-企業分析
-, ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

企業分析 5013 ユシロ化学工業 第85期

保有銘柄や気になる銘柄を中心に有価証券報告書の内容を確認して気になった点などをまとめます。   ユシロ化学工業(5013)の第85期の有価証券報告書が提出されました。   ※記事に …

企業分析 6555 MS&CONSULTING 第7期

保有銘柄や気になる銘柄を中心に有価証券報告書の内容を確認して気になった点などをまとめます。 2019年6月21日、MS&CONSULTING(6555)第7期の有価証券報告書が提出されました。 …

倒産企業分析 7312 タカタ 第14期

財務分析(Financial analysis) 損益計算書(PL)   12期 13期 14期 売上高(Sales) 642,810 718,003 662,533 売上原価(Cost o …

企業分析 6555 MS&CONSULTING 第6期

保有銘柄や気になる銘柄を中心に有価証券報告書の内容を確認して気になった点などをまとめます。   MS&CONSULTING(6555)の第6期の有価証券報告書が提出されました。   ※記事に記 …

【日本たばこ産業(2914) 第34期】高配当・安定的な利益の奥で進む「のれん」の巨大化 

2019年3月20日、日本たばこ産業(JT)(2914)の第34期の有価証券報告書が提出されました。 JTはたばこ並びに医薬品、食品・飲料を製造・販売する企業です。 高配当銘柄で知られる日本たばこ産業 …